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HawkEye 360が3機編隊を追加、電波で見る宇宙の次の一手

HawkEye 360が3機編隊を追加、電波で見る宇宙の次の一手のイメージ画像

ニュースの概要

衛星データ企業の米HawkEye 360は、3機で一組の衛星編隊「Cluster 15」の打ち上げに成功したと発表した。衛星はSpaceXのFalcon 9による相乗り便「Bandwagon-5」に載せられ、米フロリダ州ケープカナベラルから軌道に入った。新しい編隊は、より高性能なアンテナを備える。地上や海上から出る無線信号を拾う力を高め、集めたデータを地上へ送る仕組みも強化したという。カメラで地表を撮る衛星とは違い、電波そのものを材料にする点が特徴である。今回の打ち上げは、同社が編隊を一組ずつ増やして観測の網を厚くしていく流れの一部と位置づけられる。

引用元: HawkEye 360、無線信号を収集・測位する3機編隊「Cluster 15」を打ち上げ(HawkEye 360 / PRNewswire)

分析・見解

写真ではなく電波の発信源を探す衛星

HawkEye 360の衛星は、カメラを積まない。代わりに、船や車両、通信機器などが出す無線信号を受け取る。複数の衛星が同じ信号を少しずつ違う時刻に受信し、その時間差から発信源の位置を割り出す。これが電波による測位(=信号の出どころを三角形の考え方で絞り込む方法)である。

光学衛星は雲や夜に弱い。電波は雲を通り抜け、昼夜も関係ない。しかも船が位置情報の送信装置を切っていても、無線機を使えば痕跡が残る。この性質が、同社の価値の中心にある。

3機を一組にする設計が精度を決める

測位には、最低でも複数の衛星が近い距離で並んで飛ぶ必要がある。1機だけでは時間差が取れないからだ。そのため同社は、3機を一組にした編隊を単位として増やしてきた。今回のCluster 15は、その15組目にあたる名称である。

編隊が増えるほど、同じ場所を通過する回数が増える。以前は数時間おきだった再訪問が、より短い間隔になる。動き続ける船や、短時間だけ電波を出す機器を追うには、この再訪問の頻度が精度と同じくらい大事になる。アンテナの性能向上は、弱い信号や混み合った周波数帯から目的の信号を拾い分ける力にも効く。

相乗り打ち上げが事業の組み立てを変えた

今回の打ち上げは、SpaceXが定期的に運航する相乗り便に載った。専用ロケットを借り切る場合に比べ、費用を大きく抑えられる。小型衛星を多数そろえる事業にとって、打ち上げ費は設計そのものを左右する条件である。

似た構図は、地球観測のPlanetや、合成開口レーダー(=電波を自分で出して地表を撮る方式)を扱うICEYEにも見られる。いずれも小型機を量産し、相乗りで少しずつ増やす。一度に大きな衛星を上げる従来型とは、投資の刻み方が違う。失敗しても損失が小さく、改良した新型を次の編隊に入れやすい。今回アンテナ技術が更新されたのも、この回転の速さの恩恵だ。

データを地上へ戻す能力が見えない競争点になる

ニュースでは、取得データを地上へ送る機能の強化にも触れている。衛星は集めるだけでは価値が出ない。地上局の上空を通る短い時間に、どれだけの量を送れるかが実用性を決める。

通信量が増えれば、顧客に届くまでの遅れが縮む。数時間前の位置情報は、海上の動きを追う用途ではほぼ役に立たない。測位の精度、再訪問の頻度、データの届く速さ。この3つがそろって、はじめて商品になる。今回の更新は、その3点を同時に押し上げようとする設計と読める。

ビジネスへの影響

海運と保険で電波情報が使われ始めている

最も分かりやすい利用先は海運である。位置送信を切った不審な船の動きや、禁輸品の積み替えの疑いを調べる場面で、電波由来の情報が使われる。保険会社や銀行にとっては、取引先の船が制裁対象の海域に入っていないかを確かめる材料になる。

貿易金融や船舶保険を扱う企業は、自社の審査に外部の衛星情報を組み込めるかを検討する価値がある。人手で報告書を読む運用から、地図上の警告を受け取る運用へ移すだけで、確認の速度が変わる。

災害や通信障害の把握にも応用が広がる

電波は、災害時にも手がかりになる。通信が途絶えた地域で、どの機器が生きていて信号を出しているかが分かれば、被害の濃淡をつかめる。また、意図しない電波の干渉や妨害の発生源を探す用途もある。航空や港湾、放送など、電波に頼る事業者には、自社周辺の電波環境を外から確かめる手段になり得る。

自治体やインフラ事業者は、写真系の衛星データに電波系を足す形で、監視の死角を減らせる。

導入前に見るべき三つの点

導入を考える企業は、次の三点を確認したい。第一に、更新頻度である。自社の用途で何時間以内の情報が必要かを先に決める。第二に、既存システムへの接続方法で、データをそのまま取り込めるか、分析済みの警告として受け取るかで手間が違う。第三に、契約の範囲である。電波の収集は国ごとに規則が異なり、利用目的が制限される場合がある。

小さく試すなら、特定の海域や拠点一か所に絞った実証から始めるのが現実的だ。費用対効果が見えたあとで、対象を広げればよい。

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